万年筆は書く楽しさを与えてくれる特別な筆記具ですが、キャップの着脱が面倒に感じることはありませんか?そんな悩みを解決するのが「キャップレス万年筆」です。
キャップレス万年筆は、ノック式やツイスト式でペン先を出し入れでき、キャップの紛失リスクもなし。手軽に万年筆特有のなめらかな書き心地を楽しめる優れものです。
本記事では、実際にキャップレス万年筆を使ってきた経験をもとに、その魅力や選び方、さらに2025年におすすめの商品を厳選してご紹介します。パイロットとプラチナの徹底比較や、詳しいメンテナンス方法も解説していますので、万年筆選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
- キャップレス万年筆とは?メリットと特徴
- キャップレス万年筆を実際に使ってみた感想
- キャップレス万年筆の選び方
- キャップレス万年筆のおすすめブランド
- パイロット vs プラチナ|キャップレスとキュリダスを徹底比較
- キャップレス万年筆おすすめ10選
- キャップレス万年筆のお手入れ・メンテナンス方法
- キャップレス万年筆に関するよくある質問
- おわりに
キャップレス万年筆とは?メリットと特徴
キャップレス万年筆とは、その名の通り「キャップがない」タイプの万年筆です。通常の万年筆ではペン先を保護するためにキャップが必要ですが、キャップレス万年筆はペン先をボディ内部に収納する特殊な構造を持っています。
最初のキャップレス万年筆は1963年にパイロットが開発。以来、進化を続け現在では複数のブランドから様々なモデルが発売されています。
キャップレス万年筆の主なメリットは以下の通りです:
- キャップの着脱が不要で、すぐに書き始められる
- キャップを紛失する心配がない
- 片手で操作できるため、電話しながらでもメモが取りやすい
- ボールペン感覚で気軽に使える
- キャップが緩むといった劣化がない
特に忙しいビジネスシーンや、頻繁にメモを取る学生さんには大変便利な筆記具です。万年筆特有のなめらかな書き心地を、より手軽に楽しめるのがキャップレス万年筆の最大の魅力と言えるでしょう。
キャップレス万年筆を実際に使ってみた感想
私自身、キャップレス万年筆を日常的に使っていますが、その便利さは一度使うと手放せなくなるほどです。特にビジネスシーンでの機動力は抜群で、会議中の突然のメモや電話しながらの書き込みにも素早く対応できます。
日常使いでの便利さ
通常の万年筆の場合、「キャップを外す→書く→キャップをする」という一連の動作が必要です。これが意外と面倒で、気づくとボールペンに手が伸びてしまうことも。しかしキャップレス万年筆なら、ノック1つですぐに書き始められるため、万年筆を使う頻度が格段に上がりました。
特に外出先でのメモ取りでは、キャップを落とす心配がないのも大きなメリット。電車の中や立ったままメモを取る場面でも、安心して使えます。
パイロット キャップレス木軸の魅力
個人的に最も気に入っているのが、パイロットのキャップレス木軸です。カバ材を使用した木製ボディは、使い込むほどに手の油を吸収し、美しい艶が生まれてきます。購入当初は素朴な木の風合いでしたが、1年ほど使い続けた今では濃い赤茶色に変化し、深い光沢が出てきました。
この経年変化を楽しめるのは木軸ならではの魅力。まるで革製品を育てるような感覚で、愛着が増していきます。「終点の万年筆」と呼ぶ人もいるほどで、これ一本あれば他の万年筆を探さなくなるという声も納得です。
書き心地について
キャップレス万年筆の書き心地は、通常の万年筆と変わらず滑らかです。特に18K金ペン先を採用したモデルは、柔らかくしなやかな書き味で、長時間の筆記でも疲れません。
ペン先が小さいため太い線を書くには向きませんが、日本語の細かい文字を書くには十分な性能です。むしろコンパクトなペン先のおかげで、手帳への書き込みなど細かい作業がしやすいと感じています。
キャップレス万年筆の選び方
キャップレス万年筆を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。自分に合った一本を見つけるための参考にしてください。
ペン先の素材で選ぶ
キャップレス万年筆のペン先は大きく分けて「ステンレス製」と「金合金製」の2種類があります。
ステンレス製ペン先の特徴:
- 硬めの書き心地
- 線幅が安定しやすい
- 万年筆初心者でも扱いやすい
- 比較的リーズナブルな価格
金合金製ペン先(14K、18K)の特徴:
- しなやかでやわらかい書き心地
- 筆圧によって線の表情が変わる
- 長く使うほど書き手に馴染んでいく
- 高級感があり、プレゼントにも適している
初めてキャップレス万年筆を使う方や、安定した書き味を求める方にはステンレス製がおすすめ。万年筆の柔らかい書き心地を楽しみたい方や、長く愛用したい方には金合金製が向いています。
インクの補充方式で選ぶ
キャップレス万年筆のインク補充方式は主に3種類あります。
カートリッジ式:
- 使い切りのインクカートリッジを交換するだけで簡単に補充できる
- 手軽で持ち運びにも便利
- メーカー純正カートリッジの色に限定される
コンバーター式:
- 専用のコンバーターを使ってボトルインクを吸入する方式
- 好みのボトルインクを使用できるため色の選択肢が広がる
- インク補充にやや手間がかかる
吸入式:
- ペン本体にインクを直接吸入する方式
- 一度に多くのインクを補充できる
- インク容量が多いため長時間の筆記に適している
日常的に使うなら、カートリッジ式とコンバーター式の両方に対応したモデルが便利です。外出先ではカートリッジを使い、自宅ではお気に入りのボトルインクを使うといった使い分けができます。
ペン先の太さで選ぶ
ペン先の太さは、用途や好みによって選びましょう。
極細字(EF)/細字(F):
- 細かい文字を書くのに適している
- 手帳や小さな用紙に便利
- 日本語の漢字を書く際に細部まで表現しやすい
中字(M):
- 最も汎用性が高く、様々な用途に対応
- 日本語・英語どちらの筆記にも適している
- 初めて万年筆を使う方にもおすすめ
太字(B)/極太字(BB):
- 署名や宛名書きなど、大きな文字を書く際に映える
- インクの色味を存分に楽しめる
- 欧文の筆記に向いている
日本製万年筆は同じサイズ表記でも、欧米製より細く作られる傾向があります。初めての方は中字(M)から始めるのがおすすめです。
デザインと重量で選ぶ
キャップレス万年筆は長時間使用するものなので、持ちやすさやデザインも重要なポイントです。
素材とデザイン:
- 金属製:耐久性と高級感があるが、比較的重い
- 樹脂製:軽量で長時間の筆記も疲れにくい
- 木製:手に馴染み、経年変化を楽しめる
重量:
- 軽量タイプ(20g前後):長時間の筆記に向いている
- 標準タイプ(30g前後):安定感があり、しっかりとした書き味
また、胸ポケットに挿して持ち歩く場合はクリップの形状やデザインも確認しておくと良いでしょう。
キャップレス万年筆のおすすめブランド
キャップレス万年筆を代表する3つのブランドについて紹介します。
パイロット(PILOT)
パイロットは1963年に世界初のキャップレス万年筆を開発した日本の筆記具メーカーです。長年の技術と経験を活かした「キャップレス」シリーズは、信頼性の高い製品として世界中のユーザーから支持されています。
パイロットキャップレスの特徴:
- 独自のシャッター機構によりペン先の乾燥を防止
- ラインナップが豊富で様々なニーズに対応
- 18K金ペン先を採用したモデルが多い
- 「キャップレス」「デシモ」「LS」など複数のシリーズを展開
万年筆におけるキャップレスのパイオニアとして、最も信頼できるブランドの一つです。
プラチナ万年筆(PLATINUM)
1919年創業の日本の筆記具メーカー「プラチナ万年筆」。同社のキャップレス万年筆「キュリダス」シリーズは、独自の機構と使いやすさで人気を集めています。
プラチナキュリダスの特徴:
- 着脱可能なクリップを採用したユニークな設計
- ペン先が長めに出るため手元が見やすい
- 透明ボディモデルは内部構造が見えるユニークなデザイン
- 比較的リーズナブルな価格帯
機能性とデザイン性を両立したキャップレス万年筆を求める方におすすめのブランドです。
ラミー(LAMY)
ドイツの筆記具メーカー「ラミー」。ミニマルでモダンなデザインで知られるラミーのキャップレス万年筆「ダイアログ」シリーズは、エレガントなツイスト式を採用しています。
ラミーダイアログの特徴:
- 静かなツイスト式でペン先の出し入れが可能
- 洗練されたヨーロピアンデザイン
- 14K金ペン先を採用したモデルが主流
- 高級感のある佇まい
デザイン性や高級感を重視する方に人気のブランドです。
※ラミー ダイアログについての正直な評価
ただし、実用性とコストパフォーマンスを重視する場合、ラミー ダイアログはあまりおすすめできません。理由は以下の通りです:
- 価格がパイロットやプラチナの3倍以上(3万5千円〜6万円以上)
- 海外製のためインクが乾きやすい傾向がある
- 日本製の2ブランドと比べると品質面で及ばない点がある
デザインを最優先する方や、予算に余裕がある方以外は、パイロットかプラチナ万年筆の方がコストパフォーマンスに優れています。むしろラミーでキャップレス万年筆にネガティブな印象を持ってしまうのはもったいないです。
パイロット vs プラチナ|キャップレスとキュリダスを徹底比較
日本を代表する2大キャップレス万年筆、パイロット「キャップレス」とプラチナ万年筆「キュリダス」を詳しく比較します。どちらを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
サイズ・重量比較
項目 | パイロット キャップレス | プラチナ キュリダス |
---|---|---|
全長(収納時) | 140mm | 153mm |
全長(使用時) | 137mm | 140mm |
最大径 | 12.8mm | 13.5mm |
重量 | 約30g | 約26g |
軸素材 | 金属製 | 樹脂製 |
ペン先素材 | 18K金 | ステンレス |
書き心地の違い
パイロット キャップレス:
- 18K金ペン先による柔らかくしなやかな書き味
- 硬めの書き心地で筆圧が強い方でも安定
- 長期使用で自分の書き癖に馴染んでいく
プラチナ キュリダス:
- ステンレスペン先でやや硬めの書き味
- 初心者でも扱いやすい安定した筆記感
- ペン先が大きめで柔らかさを感じる
キャップレスの気になるところ・いいところ
気になるところ:
- ノック時にペン芯でシャッター部分を押すため、インクが付着しやすい
- コンバーターのインク容量が少なめ
- 金属製のため若干重いと感じることがある
- インク吸入口の位置が高いため、ボトルインクの残量が少ないと吸入しにくい
いいところ:
- インクカートリッジの取り扱い店が圧倒的に多い
- 金属軸のため程よい重量感があり、高級感がある
- 18K金ペン先の柔らかい書き味
- 長年の実績による安定した品質
- ラインナップが豊富(デシモ、LS、木軸など)
キュリダスの気になるところ・いいところ
気になるところ:
- 樹脂製のため若干安っぽく見える場合がある
- ノック部分が長いため片手だけでのノックがやや難しい
- 軸のサイズが1種類のみで、手が小さい人には太く感じる可能性
- 軸の接続部分から若干粉が出ることがある
いいところ:
- ペン先でシャッターを汚しにくい設計
- コンバーター使用時のインク容量が多い
- 価格が安い(キャップレスの半額程度)
- クリップを外すことができる
- インク吸入口が低い位置にあり、インク残量が少なくても吸入しやすい
- 透明ボディでインク残量が見やすい
どちらがおすすめか
パイロット キャップレスがおすすめな人:
- 万年筆らしい柔らかい書き心地を求める方
- 高級感のあるデザインが好きな方
- 長く使い続けたい方(特に木軸モデル)
- 豊富なラインナップから選びたい方
プラチナ キュリダスがおすすめな人:
- 初めてキャップレス万年筆を使う方
- コストパフォーマンスを重視する方
- インク残量を確認しやすい方が良い方
- 軽量な万年筆を求める方
個人的には、初めてキャップレス万年筆を試すならキュリダス、長く愛用する一本を探すならキャップレス(特に木軸やデシモ)をおすすめします。
キャップレス万年筆おすすめ10選
2025年現在、特におすすめのキャップレス万年筆10選をご紹介します。それぞれの特徴を比較して、あなたにぴったりの一本を見つけてください。
パイロット キャップレスデシモ FCT-15SR
パイロットの「キャップレスデシモ」は、従来のキャップレスをさらに軽量・スリム化したモデルです。最大径が12mmと細身で、手の小さな方や長時間筆記する方に特におすすめ。アルミ素材を使用した軽量ボディは持ち運びにも便利です。
ペン先はロジウム仕上げの18K金を採用しており、柔らかく滑らかな書き心地を実現。ノック式の操作性と相まって、素早くメモを取りたい場面でも重宝します。クリップは胸ポケットに挿しやすい形状で、ビジネスシーンでも活躍します。
おすすめ度 | ★★★★★ |
---|---|
価格 | 17,100円前後 |
特徴ポイント | 軽量・細身、18K金ペン先、ノック式 |
パイロット キャップレス FC-18SR
パイロットの定番モデル「キャップレス」は、1963年の発売以来、改良を重ねながら愛され続けているロングセラー商品です。安定した書き心地と使いやすさで、キャップレス万年筆の代名詞とも言えるモデルです。
独自のシャッター機構が内蔵されており、ペン先の乾燥やインク漏れを効果的に防止。カートリッジ式とコンバーター式の両方に対応しているため、用途に応じてインクの補充方法を選べます。マットな質感のボディは高級感があり、ビジネスシーンにも違和感なく使えます。
おすすめ度 | ★★★★★ |
---|---|
価格 | 25,200円前後 |
特徴ポイント | 定番モデル、18K金ペン先、シャッター機構 |
パイロット キャップレスLS FCLS-35SR
「キャップレスLS」は静音性を追求したハイエンドモデルです。通常のノック式と異なり、後端を少し回すだけで静かにペン先を出し入れできる独自の機構を採用。会議や静かな場所でも周囲を気にせず使用できます。
ボディは洗練されたシンプルデザインで、中央部のカットリングがさりげないアクセントに。ペン先はロジウム仕上げの18K金で、紙の上を滑るようななめらかな書き心地を実現しています。静かな操作性と高級感を求める方におすすめのモデルです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
---|---|
価格 | 42,900円前後 |
特徴ポイント | 静音性、回転式、18K金ペン先 |
パイロット キャップレス木軸 FC-25SK
「キャップレス木軸」はカバ材を使用した特別なモデルです。自然素材ならではの温かみのある質感と美しい木目が魅力。使い込むほどに手の油が馴染み、艶が増していく経年変化も楽しめます。
木製ボディは金属製のキャップレスと比べて軽量なため、長時間の筆記でも疲れにくいのがメリット。ペン先は18K金製で、しなやかな書き味と高い耐久性を兼ね備えています。自分だけのエイジングを楽しみたい方や、万年筆を長く愛用したい方におすすめの一本です。
おすすめ度 | ★★★★★ |
---|---|
価格 | 31,200円前後 |
特徴ポイント | 木製ボディ、経年変化、18K金ペン先 |
パイロット キャップレス螺鈿 FCN-5MP
「キャップレス螺鈿」は日本の伝統工芸「螺鈿細工」を施した最高級モデルです。漆黒のボディに貝殻の内側の真珠層を薄く剥いだ小片を散りばめた美しい装飾は、光の当たり方によって様々な表情を見せます。
伝統技術と現代の筆記具技術が融合した芸術品とも言えるこのモデルは、特別な贈り物や記念品としても人気。書き味も18K金ペン先ならではの柔らかさで、使うたびに特別感を味わえます。コレクション価値も高く、万年筆愛好家にとって憧れの一本です。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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価格 | 79,200円前後 |
特徴ポイント | 螺鈿細工、高級感、18K金ペン先 |
プラチナ万年筆 キュリダス PKN-7000
プラチナ万年筆の「キュリダス」は、クリップを着脱できるユニークな設計が特徴的なキャップレス万年筆です。クリップがペン回転の邪魔になる場合は取り外して使用できるため、使い方に合わせてカスタマイズが可能です。
ステンレス製のペン先を採用しており、硬めの書き味で初心者にも扱いやすい設計。ペン先が通常より長めに出るため、筆記時に手元が見やすいのも特徴です。カートリッジ式でインク交換も簡単なため、万年筆初心者の方にもおすすめできるモデルです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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価格 | 5,500円前後 |
特徴ポイント | 着脱可能クリップ、ステンレスペン先、初心者向け |
プラチナ万年筆 キュリダスデプス PKN-9000
「キュリダスデプス」はラバー調の塗装を施した落ち着いたデザインのモデルです。マットな質感のボディとクリップは高級感があり、ビジネスシーンにも違和感なく馴染みます。
書きやすさにもこだわった設計で、ペン先が見やすい位置まで出るため、細かい文字も書きやすいのが特徴。ステンレス製のペン先は適度な硬さがあり、筆圧が強い方でも安定した筆記が可能です。シンプルで落ち着いたデザインと機能性を求める方におすすめです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
---|---|
価格 | 9,300円前後 |
特徴ポイント | ラバー調塗装、書きやすさ、ステンレスペン先 |
プラチナ万年筆 キュリダス クリスタル PKN-7000
「キュリダス クリスタル」は透明ボディを採用したユニークなモデルです。内部の複雑な機構が見えるデザインは、万年筆の内部構造に興味のある方や、見た目の面白さを重視する方に人気があります。
機能面ではキュリダスシリーズ共通の特徴である着脱可能なクリップや、長めに出るペン先設計を継承。ステンレス製のペン先は安定した書き味で、デイリーユースにも適しています。透明ボディによってインク残量も一目で確認できるため、実用性も高いモデルです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
---|---|
価格 | 5,000円前後 |
特徴ポイント | 透明ボディ、内部構造可視、ステンレスペン先 |
ラミー ダイアログ3 L74
ドイツのブランド「ラミー」のキャップレス万年筆「ダイアログ3」は、洗練されたデザインと優れた機能性を兼ね備えたモデルです。ツイスト式でペン先をスライドさせ収納すると、自動でボールバルブが閉じてペン先を乾燥から守ります。
プラチナコーティングされたクリップがアクセントとなった、シンプルながら高級感のあるデザイン。ペン先には14K金を使用し、しなやかな書き味が特徴です。インクはカートリッジ式とコンバーター式の両方に対応し、使い勝手も良好。ヨーロピアンデザインの高級万年筆を求める方におすすめです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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価格 | 36,000円前後 |
特徴ポイント | ツイスト式、14K金ペン先、ヨーロピアンデザイン |
ラミー ダイアログcc L81
「ダイアログcc」はラミーの最新キャップレスモデルで、ボディにブランドロゴをあしらった特徴的なデザインが魅力です。光沢感のあるロゴ部分はロールストップとしても機能し、デスクに置いたときに転がりにくい実用的な設計になっています。
エレガントなツイスト式を採用しており、大切な会議中や静かな場所でも周囲を気にせずペン先を出し入れできます。ペン先は14Kゴールドとピンクゴールドのバイカラーデザインで、一部にプラチナをあしらった高級感あふれる仕上がり。デザイン性と機能性の両方を追求する方におすすめの一本です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
---|---|
価格 | 37,000円前後 |
特徴ポイント | ロゴデザイン、ツイスト式、バイカラーペン先 |
キャップレス万年筆のお手入れ・メンテナンス方法
キャップレス万年筆を長く愛用するためには、適切なお手入れが欠かせません。ここでは詳しいメンテナンス方法をご紹介します。
定期的なクリーニング
使用頻度にもよりますが、2〜3ヶ月に一度は内部のクリーニングを行いましょう。特にインクの色を変える際には必ずクリーニングが必要です。
クリーニングの具体的な手順:
- インクカートリッジやコンバーターを取り外す
- ペン先部分をぬるま湯で洗い流す(水温は20〜30度が理想)
- 洗浄用のカップに水を入れ、ペン先を浸して何度か水を吸入・排出する
- 水がきれいになるまで繰り返し洗う(通常5〜10回程度)
- 柔らかい布やティッシュで水分をよく拭き取る
- 完全に乾燥させてから再び組み立てる(24時間程度の乾燥を推奨)
重要な注意点:
- キャップレス万年筆のヘッド部分(機構部分)は水に長時間つけ置きしない。サビが発生する原因になります
- アルコールや溶剤などでの洗浄は絶対に避ける
- 熱湯は使用しない(部品が変形する恐れがあります)
インクの補充と交換
インクが切れたら、カートリッジを交換するか、コンバーターでボトルインクを吸入します。
インク交換時のポイント:
- インクの色を変える場合は、必ず先にクリーニングを行う
- 新しいカートリッジを装着したら、軽くペン先を下に向けてインクを馴染ませる
- コンバーター使用時は、吸入後に少しインクを戻すことで内部の空気を抜く
- 純正インクの使用を推奨(他社製インクは詰まりの原因になることも)
長期間使用しない場合の保管方法
2週間以上使用しない場合は、以下の手順で保管することをおすすめします:
- インクを完全に洗い流す
- 十分に乾燥させる
- ペン先を出した状態で保管しない(収納状態にする)
- 直射日光や高温多湿を避けた場所で保管
- できれば専用ケースに入れて保管
メーカー別のお手入れの違い
パイロット キャップレス:
- シャッター機構にインクが付きやすいため、定期的な清掃が重要
- 金属部分の水分は必ず拭き取る(サビ防止)
- 木軸モデルは水洗い不可(乾いた布で拭く程度にとどめる)
プラチナ万年筆 キュリダス:
- 透明ボディなので汚れが目立ちやすい。こまめな清掃がおすすめ
- クリップの着脱時は慎重に(突起部分が折れやすい)
- 樹脂製のため、熱湯や溶剤は厳禁
ラミー ダイアログ:
- ツイスト機構の動きが悪くなったら、専門店でのメンテナンスを推奨
- 自己分解は避ける(複雑な機構のため)
やってはいけないこと
以下の行為は万年筆を傷める原因になるため、絶対に避けてください:
- ペン先に無理な力を加える(曲がると修復困難)
- 機構部分を水に長時間つける(サビや故障の原因)
- 分解して内部を触る(専門知識がないと破損の恐れ)
- 異なるメーカーのインクを混ぜる(化学反応で詰まることも)
- 直射日光下での長期保管(樹脂部分の変色や劣化)
適切なお手入れを行うことで、キャップレス万年筆の性能を長く保ち、より快適に使用することができます。月に一度は状態を確認する習慣をつけるのがおすすめです。
キャップレス万年筆に関するよくある質問
Q: キャップレス万年筆はインクが乾きやすいですか?
A: 高品質なキャップレス万年筆は気密性の高いシャッター機構を採用しており、通常の使用ではインクの乾燥を効果的に防ぎます。ただし、2週間以上使用しない場合は、インクを洗い流してから保管することをおすすめします。特にパイロットのシャッター機構は優秀で、1週間程度の放置でも問題なく書き始められます。
Q: キャップレス万年筆のペン先交換はできますか?
A: 基本的にキャップレス万年筆のペン先交換は、専門店やメーカーに依頼することになります。特殊な構造を持つため、自分での交換は難しいです。購入時に適切なペン先サイズを選ぶことをおすすめします。パイロットの場合、サービスステーションで有料交換が可能です。
Q: キャップレス万年筆は初心者でも使いやすいですか?
A: はい、キャップレス万年筆はキャップの着脱が不要で、ボールペンのように使えるため、万年筆初心者にも扱いやすいです。特にステンレスペン先モデルは硬めの書き味で初心者でも扱いやすくなっています。入門用としてはプラチナ万年筆のキュリダスがおすすめです。価格も手頃で、書き心地も安定しています。
Q: キャップレス万年筆とノーマル万年筆では値段に違いがありますか?
A: 一般的に、キャップレス万年筆は複雑な内部機構を持つため、同じブランドの同等グレードのキャップ式万年筆と比べて価格が高めです。ただし、使いやすさや紛失リスクの低さを考えると、長期的には価値のある投資と言えるでしょう。また、キュリダスのように比較的リーズナブルなモデルもあります。
Q: キャップレス万年筆の重さが気になります。軽いモデルはありますか?
A: はい、あります。特に「パイロット キャップレスデシモ」(約21g)や「木軸モデル」は従来のキャップレスより軽量に設計されています。また、プラチナ万年筆の「キュリダス」(約26g)も樹脂製ボディで比較的軽いモデルです。購入前に可能であれば実際に手に取って確認することをおすすめします。文房具専門店では試筆できることも多いです。
Q: ノック音が気になるのですが、静かなモデルはありますか?
A: パイロット キャップレスLSは、ノック式ではなく回転式を採用しており、非常に静かにペン先を出し入れできます。会議中や図書館など、静かな場所で使用する機会が多い方には特におすすめです。ラミーのダイアログシリーズもツイスト式で静音性に優れています。
おわりに
キャップレス万年筆は、従来の万年筆の良さを維持しながら、使いやすさを大幅に向上させた優れた筆記具です。キャップの着脱が不要なため、素早くメモを取りたい時や、会議中の記録など様々なシーンで活躍します。
2025年現在、各メーカーから様々なモデルが発売されており、デザイン・機能・価格帯ともに選択肢が広がっています。初めての方には使いやすさと価格のバランスが良いプラチナのキュリダスや、信頼性の高いパイロットのキャップレスデシモがおすすめです。
長く愛用したい方には、経年変化が楽しめるパイロットのキャップレス木軸が特におすすめ。使い込むほどに艶が増し、自分だけの一本に育てる楽しみがあります。
万年筆特有のなめらかな書き心地と、ボールペンのような手軽さを両立したキャップレス万年筆。あなたの筆記ライフをより豊かで便利なものにしてくれるでしょう。ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの一本を見つけてみてください。
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